他人に見られるのが嫌な4つの状況とその理由

今回は、他人に見られるのが嫌な4つの状況とその理由についてお伝えします。

他人に見られたり、他人の評価の対象になったりしていると感じた時に覚える不安、つまり「対人関係において感じる不安」のことを「社会不安」と言います。

社会不安を感じる状況を大きく4つに分類すると、以下のようになります。

  1. 人前で発表する(演技・演奏・競技等も含む)
  2. あまりよく知らない人や異性と会話する
  3. 自己主張や人に要求をする
  4. 他人に見られながら日常的な行動をする

それでは、各項目について具体例や、なぜその状況で不安を感じるのかについて、見ていきましょう。

1.人前で発表する(演技・演奏・競技等も含む)

人前で発表する場面として、具体的に以下のような状況が挙げられます。

  • 職場での会議で発言する
  • 結婚式でスピーチをする
  • 聴衆を前にして歌を歌う
  • 就職活動で面接試験を受ける など

これらの状況においては、「他人の見ている前で、いつも通りの、あるいはいつも以上の実力を発揮すること」が求められます。

その時、「実力を発揮できなかったらどうしよう…」「失敗してしまわないだろうか…」「相手に悪い印象を与えないようにしなければ…」などのプレッシャーが、本人の肩に重くのしかかってきます。

このように、やるべきことをきちんとでくるかどうか不安に感じることを、社会不安の中でも特に「遂行不安」と呼びます。

遂行不安は、
・大勢の前で行うか、一対一で行うか
・双方向的に行われるか、一方的に行われるか、
の2つの軸によって、4つに分類されます。

①大勢の前、双方向的:職場の会議やプレゼンテーションなど
②大勢の前、一方的:スピーチ、演劇、演奏、スポーツ競技など
③一対一、双方向的:面接試験など
④一対一、一方的:個人オーディションなど

この遂行不安を感じている時に共通していることは、「相手から低く評価されることを恐れる」という心理です。

2.あまりよく知らない人や異性と会話する

1.がある種特別な状況であるのに対して、「あまりよく知らない人や異性と会話する」という2.のケースは、ごく日常的な状況と言えます。

しかし、日常的であるがゆえに、その場の状況やどんな相手かによって、臨機応変に対応しなければなりません。

たとえば、

  • 一度話しただけの人だけど、挨拶するべきなのか
  • これ以上の質問はし連れにならないだろうか
  • 何て話しかければいいのだろう
  • よく知らない話題だけど、何て答えようか
  • あの娘と仲良くなりたいけど、どう誘えばいいのだろう

などのように、日常的な状況であるがゆえに、こちらがとるべき行動の選択肢は無数にあり、だからこそどんな対応をすべきか迷い、焦りや気づまり、とまどい、緊張などを感じてしまいます。

会話に不安を感じる場合、相手との距離や親密度はあまり関係ありません。

この種の社会不安は、初対面の相手、世代の違う相手、知り合い、顔見知り、親しい相手、気になる異性など、あらゆる人間関係において起こり得ます。

この状況において求められていることは、「何か気の利いたことを言う」ことです。

しかし、気の利いた対応ができずに、「相手につまらない人間だと思われたくない」「相手に気に入られたいのに、気に入られないかもしれない」と考えてしまう自信のなさが、緊張や不安を生み出します。

この時に感じている共通の心理は「他人から見透かされるのではないか」という不安です。

  • 自分が欠点だと感じていること
  • 相手にバレると困る秘密
  • 他人に知られたくない異常性

これらが他人に見透かされてしまうことを非常に恐れることにより生じる社会不安です。

3.自己主張や人に要求をする

社会不安を感じる3つ目の状況は、「自己主張や人に要求をする」です。

自分の権利を行使したり、希望や要求、意見を他人に示す時にも、人は不安を感じることがあります。

具体的には、以下のような状況です。

  • 人からの頼みごとを断る
  • 借金や援助を誰かにお願いする
  • 相手に反対意見を言う
  • お店の対応にクレームをつける
  • 貸したものを返すよう要求する
  • 部下に左遷の通告をする など

私の知り合いの女性も、この種の社会不安を感じていました。

彼女が街を歩いていた時、ある女性に声をかけられ、雑居ビルの部屋に連れていかれました。

化粧品か何かのセールスだったのですが、セールス担当の女性が一方的に何十分も話し続け、商品を勧めてきたそうです。

彼女は断ることができなかったので、50万円ほどもする商品を購入する契約書にサインをしてしまいました。

後日、クーリングオフの制度を使って契約を無効にすることができましたが、自分の意見をしっかり言えないと、大きな痛手を負ってしまう危険性があります。

こういった人たちは、自分が何かを主張したときに、相手からの批判や非難、不愉快な態度をとられるのを怖れています。

つまり、「他人の反応がわからない不安」を強く感じているのです。

4.他人に見られながら日常的な行動をする

4つ目は、いつもなら自然に行っているはずの、ごく当たり前の動作をする時に感じる不安です。

これといった理由もないのに、ただ他人に見られていると思うだけで、居心地の悪さを感じてしまいます。

具体的には、以下のような状況です。

  • テラス席にたくさんの人が座っているカフェの前を通る
  • 満席の会場で、最前列の席まで歩いていく
  • 他人に注目されながら車の運転をする
  • 混雑しているレストランに一人で入って食事をする
  • 字を書く時に人から見られていると手が震えてしまう など

この不安は、他人に見られることにより「きまりの悪さ」を感じることで起こります。

人が見ているんだから「自然に振舞わなくては」と必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまい、緊張や不安から動作が不自然になってしまいます。

4つの社会不安の法則性

今まで述べてきた、社会不安を感じる4つの状況には、2つの法則性があります。

1つは、それぞれの状況で不安を感じる頻度です。

4→3→2→1の順に、不安を感じる人の数や頻度がより多くなっていきます。

これを図に表すと、下のようになります。

社会不安の法則性

2つ目の法則は、上の図において「上のほうの不安を感じる人は、(一部例外もありますが)その下にある不安も感じる」という法則です。

たとえば、2の「他人に見透かされる不安」を感じる人は、1の「他人に評価される不安」も必ず感じるということです。

ですので、数としては少数ですが、4の「他人に見られる不安」を感じる人は、残りの1~3の不安をすべて感じてしまい、日常生活に最も支障をきたすと言えます。

逆に、下のほうにある不安を感じる人は、必ずしもその上にある不安を感じるとは限りません。

今回は、社会不安を感じる4つの状況についてお伝えしました。

自分の不安はどれに当てはまるか、そしてその不安をなぜ感じてしまうのか。

社会不安を改善していくには、まずその正体を知ることが大切です。

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