緊張しやすい性格は長所に変えられる
緊張しやすい性格だと、人前に出るだけで血圧はあがり、心臓がドキドキしてしまいます。
そんなことばかり続くと「緊張なんかしない方がいい」と考えてしまいがちですが、実は緊張自体は悪いものではなく、長所に変えることで高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
緊張は私たちを守ってくれている?
そもそも緊張はなぜ起こるのでしょうか。
今から数万年前、私たち人間の祖先が狩猟採集をしていた時代、人間には命を奪われる危険性のある天敵がたくさんいました。
外敵に遭遇すると、攻撃するか逃げるかを即座に判断し、すばやく行動に移す必要があります。
人間が外敵に遭遇した時、副腎皮質からアドレナリンが分泌されます。すると、自律神経のうち交感神経が優位に働き、いわゆるあがり症の反応が起こります。
- 血圧は上がり、心臓はドキドキする
- 呼吸は浅く激しく、過呼吸気味になる
- 冷汗をかく
- 口の中がカラカラに渇く
これらの反応、たとえば「血圧が上がり、心臓がドキドキする」のは、「瞬時に体を動かせるよう血の巡りを良くするため」という生き延びるための理由があります。
緊張した時の身体の反応は、すべて外敵から自分の身を守るために、恐怖や不安を感じると自動的に反応する仕組みなのです。
現代では、命の危険にさらされるような事態はほとんどなくなっています。
しかし、身体の防衛本能だけはそのまま機能し続けており、精神的な重圧を感じた時、いわゆる人前で話すなど緊張した時に、同じ反応が起きてしまいます。
このように、緊張した時のあがりの症状自体は、もともと私たちの身を守るための仕組みであり、緊張それ自体は悪いものではありません。
緊張しやすい性格の長所とは
緊張しやすい性格といっても、悪いことばかりではありません。ここでは、緊張しやすい性格の長所について考えていきましょう。
緊張しやすい人は頭がいい
緊張しやすい理由の一つに「先を読む」ということが挙げられます。
犬や猫などの動物は、外敵に襲われた時に緊張して攻撃態勢をとりますが、「先を読む」ことで緊張するという高度な脳の働きは持っていません。
私たち人間の場合、「こんなことを言うと笑われるんじゃないだろうか」などと「先を読んで」考えてしまうことで、あがってしまうことがあります。
つまり、「ついつい先を読んでしまう頭の良い人ほど緊張しやすい」ということです。
「頭が良いから緊張してしまう」と考えると、必ずしも緊張が悪いとは言えなくなるのではないでしょうか。
リラックスしすぎることの弊害
逆にリラックスしるぎるとどうなるかというと、注意力が散漫になるため、うっかりミスなどの思わぬ失敗が多くなります。
たとえば私の場合、仕事上の大事なプロジェクトを抱えていた時、何日も会社に寝泊りしながら、なんとか納期に間に合わせようと必死に仕事をしていました。
そんな中でも、良い緊張感を保てていたのか、集中して仕事に取り組むことができていました。
ところが、大事なプロジェクトが終わると同時に気が抜けてしまったようで、風邪をひいて3日間ダウンしてしまいました。
このように、今まで緊張感を保って集中できていたのに、リラックスした途端、体調を崩した経験は、特に忙しい会社員の皆さんなら経験があるのではないでしょうか。
「失敗してはいけない」と緊張感を持って事に臨めば失敗することは少ないですが、慣れ過ぎてしまって気を抜いていると、思わぬ失敗を招くことも多いようです。
もちろん、リラックスすることは悪いことではありません。
しかし、仕事や勉強など、高いパフォーマンスが必要な時には、リラックスしすぎはかえって逆効果になってしまうことも多々あります。
たとえば、自動車事故の原因で「注意力散漫」や「不注意」が多いのも、運転に慣れ過ぎて緊張感がなくなってしまったことが問題だと考えられます。
緊張しやすい性格の方が成功できる
全く緊張しない人というのは、もともと聞き手の反応にはあまり興味がない人たちです。
聞き手の反応に興味がないと「どんな話をすれば聞き手が喜んでくれるのか」、「どんなふうに話を組み立てるとわかりやすくなるのか」、などを考えることもありません。
これでは、今以上に話が上手になっていく可能性もありません。
反対に、緊張しやすい人というのは、聞き手の反応を敏感に感じ取る感受性が高いため、聞き手の反応を良くするために向上心を持って改善していこうと考えることができます。
つまり、優れたスピーカーになる才能をもともと内に秘めていると言えます。
ある番組で、タモリさんが「人見知りは才能だ」と言っていました。
この真意は「芸能人には積極性が必要だと言っても、何も考えずにただ前に出ればいいというわけではない。周囲の反応を見ずに自分の好きなように振舞っている人が芸能界で成功するとは思えない。人見知りの人にはもともと周囲の反応を見る才能がある」ということだと考えられます。
「周囲の反応を見る」という才能は、スピーカーや芸能人だけでなく、人と関わる仕事、つまりほとんど全ての仕事で有利な条件だと言えるのではないでしょうか。
人見知りなどの緊張しやすい性格は、欠点ではなく長所なのです。
適度な緊張が良い成績を生む
下のグラフは、緊張と成績の関係を表したものです。
このグラフを見ると、緊張度が低すぎても高すぎても成績は悪くなっています。
一定の緊張を保っている状態が、最高のパフォーマンスを生んでいることがわかります。
同時に、緊張水準の適正レベルを超えても、成績やパフォーマンスは高い状態を保っています。
一流のスポーツ選手やテレビで活躍している芸能人なども、素晴らしいパフォーマンスを発揮できているのは、適度な緊張感を感じているためです。
リラックスしていたり、状況に慣れ過ぎてしまうと、かえってパフォーマンスは落ちてしまうので、適度な緊張はむしろ必要なのです。
緊張はうまく利用すれば、あなたの味方になってくれます。
緊張やストレスは上手く使えば味方になる
ここまでお伝えしたように、緊張しやすい人は
- 頭が良い
- つまらないミスをしない
- 周囲の反応を見る才能を持っている
- 高いパフォーマンスを出す力を秘めている
など、高い能力を持っていると考えられます。
そして、緊張しやすい人で、能力を発揮している人は、緊張やストレスを高い集中力に昇華することで、困難に上手く対処しています。
緊張を高い集中力に変えている例として、アメリカのニューオリンズ大学で行なわれた研究をご紹介します。
実験では、スカイダイビングのベテランと初心者を集めて、スカイダイビング中の心拍数を計測しました。
すると、意外なことにベテランの方が心拍数が高いという結果が出ました。
通常、緊張状態の身体の反応は、心拍数が上がり、同時に心臓の血管が収縮します。心臓の血管が収縮するので、緊張すると息苦しさを感じてしまうのです。
しかし、スカイダイビングのベテランは、心拍数が高かったにもかかわらず、心臓の血管は収縮していませんでした。
彼らは「飛びたいと思えば思うほど、ワクワクして集中力が上がる」と言っています。
ベテランは緊張感をワクワクする気持ちや集中力に変えることで、高いパフォーマンスを発揮していたのです。
緊張しやすい性格の人は、緊張を感じる能力をすでに持っているわけですから、いつもリラックスして緊張感のない人よりも、様々な分野で成功する確率はずっと高いはずです。
ここまで書いてきたように、緊張自体は決して悪いものではなく、それどころか、上手に使えば味方になってくれるものだということがわかります。
問題なのは、必要以上に緊張を感じ過ぎてしまうことであり、緊張を感じるレベルを変えてあげることが、あがり症の克服やワクワクする充実した人生にもつながっていきます。
過度に緊張を感じてしまう人には、潜在意識レベルから緊張を取り除いていく以下の2つ教材が適しています。
>>精神的な弱さを改善する方法 フルパッケージ【口コミ&評価】
>>ネガティブ思考をメリットに変える TNTメソッド【評価&効果】
どちらもメンタルの改善に特化した教材なのですが、より強力な効果が得られるのは「精神的な弱さを改善する方法」だと考えています。詳細は上記リンク先のレビュー記事をご覧ください。
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