思い込みの驚くべきパワー
あがり症と「思い込み」は切っても切れない関係です。
メンタル面が原因のあがり症の場合は、ほとんどこの思い込みを変えることで解決することが多いです。
マイナスの思い込みパワーは、敵に回すと病気になってしまうほど厄介なものですが、味方にすればこれほど力強いものもありません。
今回は、思い込みの驚くべきパワーについてご紹介していきます。
思い込みの驚くべきパワー
思い込みパワーで死亡リスクが上がる!?
アメリカで3万人を対象に行われた調査によりますと、「ストレスや緊張は体に悪い」と思い込むだけで、死亡リスクが43%増加したとのことです。
反対に「ストレスや緊張状態はむしろあった方が良い」と前向きに思い込んでいる人は、死亡リスクの上昇が全く見られませんでした。
ストレスや緊張をネガティブに捉えるのではなく、「むしろあった方が良い」と思い込むことが大切です。
このようなプラスの心構えのことを、心理学用語でマインドセットと呼びます。
思い込みパワーでダイエットができる!?
ハーバード大学で、あるホテルの女性客室係を対象にした実験が行なわれました。
客室係の仕事は1時間に300キロカロリーも消費する運動量にもかかわらず、多くの女性客室係はふくよかな体型でした。
事前に行なったアンケート結果では、女性客室係の1/3が「まったく運動をしていない」、2/3は「定期的な運動をしていない」という回答でした。
つまり、すべての女性客室係が普段運動をしていませんでした。
そこで、ホテルのマネージャーが朝礼やポスターを使って、「ホテルの仕事は立派な運動である」と、繰り返し訴え啓蒙しました。
すると4週間後、彼女たちの生活は全く変わっていないにもかかわらず、体重と体脂肪率が減少していました。
毎日の仕事に対する思い込みを変えただけで、ダイエット効果を生み出したことになります。
思い込みパワーで寿命が延びる!?
アメリカで思い込みと寿命の関係を調べる研究が行なわれました。
「年をとる」ことについて「知識や経験が豊富になる」とポジティブな思い込みを持っている人たちをAグループとします。
「年をとる」ことで「自分は役立たずになった」とマイナスに思い込んでいる人たちをBグループとします。
A・B両グループの寿命を比べてみました。
すると、ポジティブな思い込みを持っていたAグループの方が、寿命が8年も長いという結果になりました。
ポジティブな思い込みを持っていたAグループは、「やればできる」と考えることで、素直に医師のアドバイスに従ったり、健康のために運動していた人も多く、そういった行動も長生きにつながったと考えられます。
ネガティブな思い込みを持っていたBグループは、「どうせ年をとれば不健康になるのは仕方ない」と悲観的に考え、運動もしなくなっていました。
この研究では、先ほどのダイエットの例のように、思い込みの効果だけでなく、思い込みが前向きな行動(運動など)につながり、寿命が延びるという結果になりました。
以上3つの例のように、思い込みはそれだけでも直接的に良い効果をもたらしますが、それに加えて、プラスの思い込みが良い行動につながることで、間接的にも良い影響をもたらすことがわかります。
事実ではなく、脳の認識が現実になる?
次は、「ネイチャー」という科学専門雑誌で発表された論文の内容です。
まず、次のアニメーションを見てください。
上のアニメーションは、下の図のように正方形と長方形の2枚の絵を瞬時に切り替えただけのものです。
しかし、私たちの目には正方形がだんだん伸びて、長方形に変化しているように見えませんか?
これは脳による錯覚なのですが、正方形がいきなり長方形に変わるのはおかしいと脳が判断し、勝手に正方形が長方形に伸びたように処理してしまっているのです。
そしてもっと驚くのは、正方形と長方形が瞬間的に入れ替わるだけのアニメーションを見た時に、下のような実際に正方形が徐々に伸びて長方形に変化するアニメーションを見た時と、脳の同じ部分が働いていたということです。
これは、下の図のように少しづつ正方形が伸びていくイラストを間に挟んでいます
つまり、実際には伸びていないのに、「脳」が「伸びた」と思い込んでしまったら、事実がどうであろうが、それは「正方形が長方形に伸びた」という事実として認識されてしまうということです。
このように、脳がクロと言えば、事実はシロでもクロになってしまうのです。
私たちが思い込んでいる自分の欠点も、果たしてそれは事実なのでしょうか。それとも、脳が勝手に事実だと認識しているだけの、単なる思い込みなのでしょうか?
プラスの思い込みパワーを最大限に活用するには
ここまで、思い込みによる「死亡リスクの増加」、「ダイエット効果」、「寿命が延びる」など驚くべきパワーを見てきました。
同じように、あがり症克服にも思い込みのパワーを生かすことができます。
そもそもあがり症には、思い込みの要素が非常に大きいのです。
「自分はダメな人間だ」
「人前で堂々と話せるわけがない」
「私の話なんて退屈だと思われているにちがいない」
このようなマイナスの思い込みが強ければ、人前に立っただけで萎縮してしまい、本来持っている力を発揮できないのは当前です。
よく「引き寄せの法則」などと言われていますが、ネガティブなことを考えていれば、ネガティブな行動をとってしまうため、ネガティブな結果を引き寄せてしまうのも、ごく当たり前のことなのです。
それでは、「自分は人前で堂々と話せる」と思い込めば良いのですが、そんなに簡単に脳の認識を変えられれば苦労はしませんよね。
中途半端な思い込みでは、「自分は人前で堂々と話せる」という言葉に逆にプレッシャーを感じてしまいますし、言い聞かせているのにできなかったら、ショックをより大きく感じてしまいます。
「思い込み」のパワーを十分に活用したいのであれば、脳の潜在意識レベルから信じ込まないと意味がありません。
それには、認知(物事の捉え方・考え方)を変えることで間接的に潜在意識を書き換える方法と、潜在意識に直接アプローチする方法、2つの面からアプローチすることが必要になります。
当ブログで推奨しているあがり症教材の中で、効果的に潜在意識へアプローチするには、「TFTメソッド」、「精神的な弱さを改善する方法 フルパッケージ」、「とよだクリニック監修 あがり症改善プログラム」、「児島弘樹のあがり症改善プログラム」の4本がお勧めです。
プラスの思い込みを強化する正しい方法をマスターして、あなたが本来持っている能力を存分に発揮してください。
あがり症の体験記事を書いています。
私の失敗体験を、あなたのあがり症改善に役立ててください。