人前で堂々と話ができる26の実践テクニック:乾哲也【評価&効果】
今回のレビュー教材は「人前で堂々と話ができる26の実践テクニック」です。個人的には「まぁまぁ」の教材でした。特典がたくさんついているので、市販本を買うぐらいなら、この教材を買ったほうがお得感はあるでしょう。
ですが、特にこのブログでおすすめできる内容とは感じませんでした。
なぜそう判断したのか?詳しくは以下のレビュー記事をどうぞ。
作者・乾哲也とは何者か?
有限会社 乾経営コンサルティング代表取締役。
大阪生まれの中小企業診断士。NLP(神経言語プログラミング)の資格を所持。
もともと極度のあがり症で、それでも学生の時は人前で話す機会も少なかったため、特に何もせずそのまま社会人に。社会人になると人前で話す必要が出てきました。ある専門学校の事務局で働いていた時、事務局連絡として大勢の生徒の前で話す機会が多かったそうです。
人前で話す辛さから、会社を辞めようと思いましたが上司に励まされ思い留まります。何とかあがり症を克服しようと一念発起し、2つの話し方教室に同時に通うことに。
ところが、全くあがり症は改善せず、教室をやめようと思い退会手続きに行きました。そこにいた事務局員のおじいさんに退会の理由を聞かれ、詳しく話したところ、「治らない原因は潜在意識のプログラミングのせいだ」と言われます。
さらに、そのおじいさんが、なんと無料であがり症改善のやり方をレクチャーしてくれると言うのです。そして、短期間で声の震えが止まり、大勢の生徒の前でも、生徒の顔を見ながら話せるまでになりました。
このおじいさん、後で知ったそうですが若い頃はその話し方教室では有名な先生だったそうです。これはあがり症教材の公式サイトに書いてありました。
一方、経営コンサルティング関連の動画の中での乾氏はこんなことを言っています。
- 一番初めに就いた職種が工場の現場監督で、営業とは無縁だった。
- はじめて営業職をやった時、あがり症で雑談すらできなかった。
- これではダメだ思い、セミナー及び独学による営業特訓が始まった。
- ようやく営業のことがわかった頃に、コンサルタント会社へ転職。
- コンサル会社では企業売り上げ倍増などの様々な実績を達成。
- その後独立し、現在は中小企業経営活性化のためのセミナー等で活動中。
あがり症教材の公式サイトに書いてあることと、経営コンサルタントサイトの動画の中で語っている経歴に食い違いがありそうです。
あがり症で困っていたのは専門学校の事務局員の時ではなく、営業職の時なのか?あがり症はおじいさんに治してもらったのか、営業特訓で克服したのか?
あくまでも推測ですが、話し方教室を退会する日に、たまたま事務局にいたおじいさん(しかもその話し方教室では、かつての有名講師)が、無料でレクチャーをしてくれるなんて、あまりにも出き過ぎではないでしょうか。
2つのサイト間で話の食い違いもありますので、どうやら「あがり症公式サイト」の記述は少々大げさに書いているように個人的には見受けられました。
教材概要
教材本編動画【合計:2時間47分13秒】
- ビデオ1:はじめに【4分00秒】
- ビデオ2:あがり症克服のための5つの実践テクニック【1時間19秒】
- ビデオ3:あがり症の本当の原因を取り除く方法【18分42秒】
- ビデオ4:緊張・震えを抑えるための4つの応用テクニック【30分25秒】
- ビデオ5:上手く話すための準備と話し方のコツ【25分18秒】
- ビデオ6:その場で緊張を抑える12の実践テクニック【18分11秒】
- ビデオ7:最後に(まとめ)【10分18秒】
特典
- 潜在意識を活用した、止めたいことを確実に止める方法【動画・18分35秒】
- あなたに幸せを引き寄せる5つのポイント【動画・55分00秒】
- あがり症克服の完全克服Q&A集【PDF・182ページ】
- ちょっとしたコツで記憶力を高める最後の秘密!【PDF・31ページ】
- 睡眠障害を克服して熟睡する方法【PDF・103ページ】
- 記憶力をアップする秘訣【PDF・102ページ】
- NLPを活用した目標達成術【YouTube限定公開動画・19分53秒】(アンケート回答者のみ)
教材詳細
特典まで含めると多くなりすぎるので、本編動画のみレビューします。
ビデオ1:はじめに【4分00秒】
ビデオの全体像の解説と、ビデオを見る時の注意点について話しています。
ビデオ2:あがり症克服のための5つの実践テクニック【1時間19秒】
この章では、まずあがり症の原因と、その問題点はどこにあるのかを解き明かします。
具体的な克服方法として、「準備編1つ」「マインド編1つ」「テクニック編3つ」の合計5つのノウハウを紹介しています。
最後に、成果が出るまでの過程を3段階で説明しています。
ビデオ3:あがり症の本当の原因を取り除く方法【18分42秒】
あがり症が起こっている原因「潜在意識のプログラム」をどのように書き換えるか、その過程を3つのステップで解説しています。
とても理論的で、納得できる内容だと思います。
ビデオ4:緊張・震えを抑えるための4つの応用テクニック【30分25秒】
この章では、あがり症克服のために長期的な方法を1つ、短期的な方法を3つ紹介しています。
長期的な方法とは、時間をかけて潜在意識へ影響を及ぼしていくノウハウです。短期的な方法とは、緊張が起こった時にその場で緊張を抑える方法です。
ここまでで合計9つのテクニックが出てきました。
ビデオ5:上手く話すための準備と話し方のコツ【25分18秒】
この章は上手く話すテクニックについて解説しています。
まず、話をするまでの準備を4ステップで解説。準備をする時に必要な心の持ち方についても説明しています。
話を作る時の構成についても3パターン紹介していますが、話を構成する上で、最も大切な要素が抜けています。このままですと、少々話を組み立てるのに苦労するのではと感じました。
他にも、実際に話す時に使うテクニックを3つ解説しています。
この章では、合計5つのテクニックが出てきます。ここまで合わせると、14のテクニックになります。
ビデオ6:その場で緊張を抑える12の実践テクニック【18分11秒】
ここでは、緊張してしまった時の12の対処法について話しています。すべて顕在意識に働きかけて即効性を期待する方法です。
これで、合計26のテクニックが出揃いました。
ビデオ7:最後に(まとめ)【10分18秒】
最後に、今までのまとめの内容と、ビデオ2で話した「成果を出すために知って欲しいこと」を再度おさらいして終わりです。
メリット
- 理論はとても納得できる
- 特典がたくさんあるので市販本を買うよりはお得感がある
- 動画なのでテキストだけよりも理解しやすい
おすすめしたい人
- とにかくテクニックをたくさん知りたい人
- あがり症改善の市販本を買おうと思っている人
デメリット
- テクニックだけであがり症は治らない
- 効果を実感できる方法が少ない
- 動画といっても文字情報のみなのでやり方をイメージしにくい
- 基本的に作者一人の成功事例であるため再現性・汎用性が低い
おすすめできない人
- あがり症を根本的に治したいと思っている人
採点 【B評価:60点】
価格のわりにはたくさんの特典が付き、ボリュームが多いです。また、動画で解説しているため、視覚と聴覚から情報が入り、本よりも理解しやすいと言えるでしょう。
しかし、基本的に効果があまり期待できない表面的なテクニックが多いため、内容的には市販本と同程度のレベルと判断します。
ただ、市販本よりもボリュームと理解のしやすさで優っているため、1000円の市販本3冊ぐらいを買うつもりなら、こちらの教材を購入した方がお得感はあるでしょう。
私の個人的な見解としては、根本的にあがり症を克服するには少々力不足の教材だと感じており、価格相応とは言えますが、特におすすめできるほどの教材だとは考えておりません。
総合評価
あがり症の原因は「潜在意識のプログラム」にあり、そのプログラムを書き換えるためには「小さな成功体験を積み重ねる」ことが必要です。
上記の理論をベースに、「小さな成功体験を積む」ためのテクニックを26個紹介しているのが、乾哲也さんの「人前で堂々と話ができる26の実践テクニック」です。
理論自体はとても納得のいく内容だと思います。しかし、方法論となると、効果としては弱いのではないかな?と感じています。
たとえば、あなたが「人前で堂々と話なんてできるわけがない」と思い込んでいるとします。この思い込みは潜在意識の部分にまで入り込んでいるので、とても強力です。この潜在意識を改善しない限り、表面的な対処法をいくら駆使しても、上手くいく確率は低いままです。
ところが、この教材で紹介されている方法のほとんどが表面的な対処法なので、潜在意識を書き換えるには、少々力不足と感じてしまうのです。
たとえば、ビデオ6の「その場で緊張を抑える12の実践テクニック」では、緊張が起こった後の対処法についてのテクニックが解説されています。
もちろん、乾氏はこの方法を行なうことで「小さな成功体験」を何回も積み重ねることで、潜在意識を書き換えようと言っています。
ですが、すでに緊張している状態でこれらの方法を実践しても、上手く行く確率はかなり低くなります。
また、効果があったとしても、わずかな効果しか得られそうにないので、潜在意識を書き換えるまでには膨大な時間と量をこなさなくてはならないでしょう。
このような短期的な方法の他に、長期的に潜在意識に影響を与える方法も紹介されています。私は、根本的にあがり症を改善するなら、こちらの方が重要だと考えていますが、こちらに分類される方法は、残念ながらわずか2つしか紹介されていません。
しかも、ビデオ4で紹介しているそのうちの1つは、かなり難しいやり方で解説されています。率直に言いますと、「なんでわざわざこんなやりにくい方法を教えているんだろう?」と感じました。
もちろん、全て効果がないと言っているわけではありません。中にはいくつか効果の期待できる方法もありました。しかし、相対的に即効性を求めるテクニックに寄りすぎているためバランスが悪く、全体的に効果を得にくい教材内容になってしまっていると感じました。
この原因は、公式サイトに書いてある「自分が実践して結果が出たものを体系的にまとめることにしました」という部分にあるように思います。
つまり、結局は乾哲也さん一人の成功事例に過ぎないため、方法論に偏りが生まれてしまったのではないか?ということです。
結局、自分一人が上手くいった方法をまとめているに過ぎないため、当ブログでご紹介している他の教材と比べて、汎用性や再現性に乏しい印象を受けるのかなと感じました。
以上で「人前で堂々と話ができる26の実践テクニック」のレビューを終わりにします。教材選びの参考になれば幸いです。
もし、即効性に期待してこの教材を購入しようと考えているなら、金井英之氏の「金井式あがり症改善法 実践セミナーDVD」の方が内容的に優れているのでお勧めです。
乾氏の教材と同じくテクニック重視の教材ですが、あがり症の人達にアドバイスをして改善していく様子を目の前で見ることができますので、どこをどう治せば良いのかがより直感的にわかります。
「スピーチ本番まで数日~1週間ほどしかない」という人には特に効果的です。
メンタル面とスキル面がバランス良く強化できる教材を探しているなら、児島弘樹氏の「あがり症改善プログラム」が良いでしょう。
とても誠実で内容の濃い「3ヶ月無料サポート」もついていますので、ブログで紹介している教材の中では、児島氏の教材が総合的に満足度が一番高いです。潜在意識に直接働きかける方法も簡単に実践できるよう配慮がなされています。
あがり症の体験記事を書いています。
私の失敗体験を、あなたのあがり症改善に役立ててください。