あがり症は遺伝する?

こんな話を聞いたことがあります。

ある西洋人が、日本を含むアジア諸国の会議に議長として招かれました。

そこで苦労したことが2つあったそうです。

1つは、「日本以外のアジア諸国の人たちに、いかに発言を控えてもらうか」ということ。

もう1つは、「いかに日本人に発言してもらうか」ということでした。

他の国々と比べても、日本人は総じて控えめというか大人しい印象が強いと思います。

先日、子どもの学校の保護者会に参加した妻がこんなことを言っていました。

妻「先生からの話が一通り終わって『それでは、保護者の方々にお子さんについて気になっていることを一言ずつ発表していただきます。』ということになったのね。」

私「ふんふん、それで?」

妻「先生は『お時間がない人もいらっしゃるでしょうから、そういう方はここで帰られても結構です』と言ったのよ」

私「うん」

妻「そしたら、ほとんどの親が帰っちゃって、ほんの数人しか残らなかったのよ」

私「へえ~、みんなよっぽど人前で話すのが嫌なんだね」

人前で話すのを嫌がる傾向って、日本人には特に強いように感じるのですが、日本人特有の遺伝的な要素でもあるのでしょうか?

そもそも性格というのは、親からの「遺伝」と、育ってきた周囲の「環境」によって形成されます。

ということは、あがり症も何か遺伝的な要素があるのではないでしょうか。

実際に、不安や緊張を感じやすい遺伝子は存在するそうです。

あがり症になりやすい遺伝子とは?

1996年11月、アメリカのピーター・レッシュ博士が「ある遺伝子の違いが個人の不安の強さに影響する」と発表しました。

「セロトニン」という言葉を聞いたことはありませんか?

セロトニンは、脳内ホルモン(脳内神経伝達物質)の一つで、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。セロトニンが脳内に多く分泌されることでリラックス状態になります。

セロトニンが作用するためには、伝達先の脳神経細胞に受容体(セロトニントランスポーター)がなくてはいけません。

この受容体(セロトニントランスポーター)が多ければ多いほど、セロトニンの分泌量も多くなり、緊張を感じにくくなるというわけです。

そして、そのセロトニントランスポーターの量を決定するのが、「L遺伝子」「S遺伝子」だということを、先ほどのピーター・レッシュ博士が発見しました。

「L遺伝子」が多いほど、セロトニントランスポーターの量が増え、セロトニンの分泌量が増えます。

つまり、「L遺伝子」を多く持っている人ほど、リラックスしやすくなるということです。

遺伝子の型は以下の3つに分かれます。

  • LL型 → リラックスしやすい
  • SL型 → ふつう
  • SS型 → 緊張・不安を感じやすい

日本人は遺伝的に緊張・不安を感じやすい

アメリカ人と日本人で、この型の割合をそれぞれ調べてみると、以下のような結果になりました。

●アメリカ人の場合
・SS型 → 18.8%
・SL型 → 48.9%
・LL型 → 32.3%

●日本人の場合
・SS型 → 68.2%
・SL型 → 30.1%
・LL型 → 1.7%

●日本人とアメリカ人のS-L遺伝子比較グラフ
あがり症になりやすい遺伝子の割合

比べてみると違いが顕著にわかると思いますが、日本人の場合、リラックスしやすいLL型の人は、たった1.7%しかいません。

この1.7%という数字は世界で最も少ないため、日本人は不安や緊張を世界一感じやすい、つまり世界一あがり症になりやすい民族であるとも言えます。

もちろん、あがり症は過去の失敗体験によるトラウマや、親など周囲の人の刷り込みによる影響など「環境」による要因が大きく作用します。

しかし、まったく環境が同じ状態で育った日本人とアメリカ人の二人が、まったく同じ失敗体験をしたとすると、遺伝子的に緊張しやすい日本人のほうが、よりあがり症になる確率は高くなると考えられます。

遺伝子の性質に合わせたあがり症改善方法

さて、あなたは「日本人は遺伝的に緊張しやすい」と聞いてどう思われたでしょうか。

「もともと緊張しやすいんじゃ、どうしようもないじゃないか…」

と落ち込む人もいれば、

「周りのみんなも緊張しやすいのなら自分と同じじゃないか。今まで自分だけがつらいと思っていたけど、そんなことないんだな。」

と、希望の光が見えた人もいると思います。

大切なのは、「もともと緊張しやすい性質を持っている場合、効果的に改善するにはどうすれば良いのか?」と考えて、自分に合ったあがり症改善方法を続けていくことです。

たとえば、不安・緊張を感じにくい「LL型」であれば、「金井式あがり症克服法」や「金井式あがり症改善法 実践セミナーDVD」で、伝わりやすい話し方の技術を学ぶことにより、人前で上手に話せるようになるでしょう。

しかし、不安・緊張を感じやすい「SS型」であれば、技術を学ぶより先に「精神的な弱さを克服する方法フルパッケージ」や「TNTメソッド」などで精神面を根本的に改善しなければ、技術を効果的に使いこなすことすらできません。

日本人の性質に合った教材としては、精神面と技術面の両方をしっかりと含みつつ、精神面の改善に重点を置いている、児島弘樹さんの「あがり症改善プログラム」が最も適しています。

あなたの性質や症状に最も適したあがり症克服方法をお選びください。

あがり症の体験記事を書いています。
私の失敗体験を、あなたのあがり症改善に役立ててください。

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